君に許しのキスを
第8章─始まり─
─side周
洋平から電話があった。
『西口と東口、どっちっすか』と。
「そんなもん、最初に確認しろ。」
といってから、
「西口。」
と教え電話を切った。
携帯をスーツのジャケットにしまいながら、改札のすぐ横の壁に寄りかかる。
家路を急ぐサラリーマン、これから遊びに出かけるガキ、色々な人が行き交うのを見ると、ふと小さなため息が出た。
こんだけ人がいて、俺は今、何やってんだろう。
無難に、波風立てずに、生きていくはずだ。
それはきっと、いや、絶対的に正しい。
誰がどう言おうと。
それを揺るがすようなことは、絶対にしない。
あってはならないはずなのに。
『西口と東口、どっちっすか』と。
「そんなもん、最初に確認しろ。」
といってから、
「西口。」
と教え電話を切った。
携帯をスーツのジャケットにしまいながら、改札のすぐ横の壁に寄りかかる。
家路を急ぐサラリーマン、これから遊びに出かけるガキ、色々な人が行き交うのを見ると、ふと小さなため息が出た。
こんだけ人がいて、俺は今、何やってんだろう。
無難に、波風立てずに、生きていくはずだ。
それはきっと、いや、絶対的に正しい。
誰がどう言おうと。
それを揺るがすようなことは、絶対にしない。
あってはならないはずなのに。