君に許しのキスを
顔が、近くにあった。



事態を、今自分が置かれている状況をまったく飲み込めなかった。


顔が、熱かった。

顔だけじゃない。
全身の血液の流れが、異常に良くなったんじゃないかと思うくらい、体中が熱くなって、心臓がドキドキと大きな音をたてた。


そんな、ドキドキと流れる全身の血液と神経が、唇に持って行かれているような、そんな感覚だった。


唇に載せられた何か、異物に。
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