君に許しのキスを
…キス?


…キスなのかも、しれない。
…これが。


頭の中を、色々な思考が、グルグルと回った。


ぱっ、と唇に載った異物と、近くにあった顔が、離れた。


次に目に入ったのは、去っていく土屋周の後姿だった。


周りには、誰もいない。


元々人通りの少ない廊下。
しかも、階段の影。


ここには、あたしと彼と、二人だけだった。
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