ヤクザと執事と私 1
第4節:ヒーロー?
しばらくして、堅く閉じられていた入り口のドアが開いた。
入ってきたのは、・・・・私が見覚えあるヤクザ・・・そう、私を攫おうとしたヤクザの1人だった。
予想しておいた中でも、最悪の答え。
もっとも私が助かりそうにないもの。
目の前真っ暗って感じ・・・
首に力が入らず、俯いたままの私。
「おい、飯だぞ!起きろ!」
俯いたままの私を寝ていると勘違いして、入ってきた男が声をかけてきた。
しょうがなく顔を上げる私。
「ほら、食え!」
男は、パンとミネラルウォーターを私とサブの目の前に置く。
「・・・手が縛られたままだと食べること出来ないんだけど?」
サブが、男に話かける。