ヤクザと執事と私 1
サブは念のために男に聞いた。
「・・・それで、まだ、執事さんには連絡してないよな?」
私とサブは、最後の望みをかけて、男に聞いた。
「あっ、それなら、俺がもう連絡しといたぜ。」
急に後ろの入り口のドアの方から声が聞こえた。
私とサブが振り返るとそこには、真木ヒナタがアイスをくわえて立っていた。
「・・・ヒナタさん・・・いつからそこにいるんですか?」
サブが驚いたように聞く。
「えっ?最初からいたぜ。ただ、さっきアイスが食べたくなったから、買いに行ってたけど。ちょうど、小夜が華麗に投げ飛ばしたところで帰ってきたんだよ。」
さも当然のように真木ヒナタが答える。
「最初からって・・・?」
「最初って、お前らが攫われる所から。あんまりお前らがアイス買ってくるのが遅いから、殺してやろうと思ってさ、迎えに来てたら、たまたま誘拐現場に出くわしたってわけさ。」
真木ヒナタはもの凄くうれしそうな表情。
「あの・・・それで・・・なんで助けてくれなかったんですか?」
一応、当たり前のことを私が聞いた。
「はぁ?何でこんな楽しそうなことを途中で止めないといけないんだよ?こんな楽しいイベントを途中で止めるなんて、神様が許しても、俺がゆるさねーよ。」
訳のわからない理屈を当たり前のことのように宣言した真木ヒナタ。