ヤクザと執事と私 1
私とサブはそれ以上聞けずに、あきれるしかなかった。
「あ、執事には、誘拐だから帰るの遅れるって伝えといたぞ。あと、夕飯までには帰ってこいってさ。」
さらに真木ヒナタは、非常識な方々の言葉を私とサブに伝えた。
「あ、組長は、いいなぁ~俺もたまには誘拐されてみてぇーよってさ。できたら、記念に誘拐犯の写真撮ってきてくれって言ってたぞ。」
「・・・・・」
私は、今さらながら、とんでもないところで働いているということを実感していた。
「小夜、アイスいる?」
真木ヒナタが私の横でアイスを私に差し出す。
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
私は、真木ヒナタからアイスを受け取り袋を開け、アイスを食べる。
「・・・あの・・・ヒナタさん・・・俺には?」
サブが物欲しげな顔で真木ヒナタを見つめる。
「・・・テメー、よくもこの状況でそんなことが言えたもんだな!テメーは小夜に助けられてただけじゃねーか!」
真木ヒナタに一喝され、サブは怒られた子犬のように小さく縮こまってしまった。