ヤクザと執事と私 1

男は、真木ヒナタの話を聞いて観念したのか、素直に話してくれた。


「・・・俺入れて、4人だよ。ただ、1人は、攫うのを手伝ってもらっただけだから、もういない。今は、この下の階に2人いるだけさ。」



「ヤクザの組が関わってるんじゃないの?」


「ああ、執事に関わったって組に知れたら、二度と組の敷居をまたぐなって言われたよ・・・」



「当然だろうな。うちの執事と関わって無事に済んだ組はないからな。」


真木ヒナタが少し笑みを含んだ目で男を見つめている。





「今まで尽くしてきた組に執事と関わったってだけで、見捨てられたのさ・・・」


男は悲しそうな声で呟く。



「それで、執事さんに復讐しようとしたのか・・・」


サブが謎が解けたというような顔をする。



「ああ、その通りさ。せめて、執事に一矢報いてやろうと思ってさ・・・でも、失敗したけどな・・・」


男が自嘲気味に笑う。
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