ヤクザと執事と私 1
「ちょ、え、大丈夫なんですか?そんな約束をして?」
私があわてて真木ヒナタに詰め寄ると、
「大丈夫だって。だって俺、こう見えても組の幹部だよ。」
と、4個目の溶けかかったアイスをなめながら真木ヒナタが答えた。
本当に執事見習い見習い・・・・するの?・・・
やや不安に思いながら、誘拐犯3人を見ると、迷子の子犬のような表情で私を見ている。
でも・・・やっぱり、迷子の子犬とは違う。
だってかわいくないもん。
その時、横で人が倒れる音がした。
見ると、サブが足を押さえて倒れていた。
「いたたた、ヒナタさん・・・スクワット、これくらいでいいですか?」
体中に汗を浮かべているサブが、苦しそうに真木ヒナタに懇願した。
真木ヒナタが、それを見て一言、「あと100回ね。」
私は、ここにもドSがいると苦笑いを浮かべるしかなかった。