ヤクザと執事と私 1

第5節:執事困惑



「それで、どういうことで、こんなことになってるのでしょうか?真木ヒナタさん?」


執事が組長の家の門の所で、真木ヒナタに詰め寄る。


「だから、もう3回目だよ。新しい執事見習い見習いをつれてきてやったんだって。ほら、龍一、新しい見習い欲しいっていってたじゃん。」


真木ヒナタが執事を龍一と呼び捨てにして、まったく説明になってない説明を繰り返している。



「だから、何故、誘拐事件から新しい執事見習いを雇うという話になるのですか?」


「違うって、執事見習い見習いだって。だから、龍一の部下じゃなくて、小夜の部下。」


「・・・私の部下の小夜さんの部下は私の部下でしょう?」


「もう、わからない奴だな。こいつらは、龍一のこと嫌いなの。だから、龍一の部下じゃなく、小夜の部下。」


「・・・誰が決めたのですか?」


「当然、組の幹部である俺様!」


真木ヒナタは30cm以上ある身長差を見上げながら、胸を大きく張って言い切った。



「・・・・とりあえず、ここではらちがあきませんので、中で話しましょうか?」


執事がかなりの怒りを溜めていることは明白な表情で私達に呼びかける。


< 116 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop