ヤクザと執事と私 1
「望むところさ!」
真木ヒナタは、さっきよりも嬉しそうにさっさと中に入っていった。
その姿を見て、私は、真木ヒナタは本当にトラブルが好きなんだなと思った・・・ただ・・・・私達を巻き込むのはやめて欲しいけど。
しょうがなく、私とサブもこれから起こるであろうトラブルに頭を抱えながら真木ヒナタの後をついていく。
部屋へ行く途中で、執事が私の所にやってきた。
「小夜さん、大丈夫でしたか?」
先ほどとは違い、本当に心配そうな表情で私を見つめてくれている。
「・・・はい。どうにか大丈夫でした。・・・でも、買い物が・・・」
「小夜さん、小夜さんが無事でしたら、そんなことは、どうでもいいのですよ。」
執事は、私をチョコレートのように溶かしたいのかと思うような優しい微笑みを浮かべる。
私は、それから、何も考えられなくなってしまった。
再び私と執事は真木ヒナタが待ち構える部屋へと一緒に歩いていった。