ヤクザと執事と私 1
第4章:組長失踪
第1節:まるで桃○郎
「だから何で執事の見習い見習いなんですか?それよりも、誘拐犯はどこに行ったんですか?」
今まで見たことないような執事のいらついた表情。
こういうところを見ると、執事も人間なんだなと思う。
・・・別に人間じゃないと思ってたわけじゃないけど、顔と行動が普通の人間離れしてるから。
「・・・誘拐なんてしらねーよ。」
真木ヒナタが言い切る。
・・・・とんでもない、ごまかし方だ・・・・
この言葉を聞いた瞬間、私もサブも、そして誘拐犯3人組もただあきれるしかなかった。
「・・・わかりました。それでは、真木ヒナタさんは、この執事たる私に嘘の電話をかけてきたというわけですね。」
執事の目が冷たく光る。
「う、嘘じゃねーよ。」
少し焦り始めた真木ヒナタ。
真木ヒナタほど嘘が下手な人物もなかなかいないと思う。