ヤクザと執事と私 1

時計を見ると、すでに夜22時を指していた。


その時、いきなり部屋のドアが開いて、組員の男が入ってきた。



「大変です!執事さん。組長が!」


「どうしたのですか?いきなり、ノックもせずに。」


真木ヒナタとの対応で苛立った様子のままの執事が振り向く。



「いや、あの、うちの組が経営しているバーが襲撃されまして、その報告を組長にしたんですけど、そしたら組長が1人で出て行かれまして・・・」


「護衛もつけずにですか?」


「・・・はい。もの凄い勢いで嬉しそうに出て行かれましたので・・・」


組員の言葉を聞いて、呆れ顔になる執事。



「・・・今からでもいいですから、至急、護衛を送ってください。あと、真木ヒナタさん、あなたも組員つれて組長捜索に出てください。」


執事は、後ろを振り向いて、真木ヒナタに告げた。


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