ヤクザと執事と私 1


報告した組員は、執事に言われてすぐに部屋を出て行く。


「しょうがねぇ~組長だな。よし、お前ら行くぞ!」


と、真木ヒナタは、なぜか私と誘拐犯3人組に声をかけ部屋を出て行こうとする。


「わ、俺ですか?」


何かの間違いかと思い、念のため、真木ヒナタに確かめてみる。


「あ?当たり前だよ。今、俺の部下は全員、出払ってるから車がないんだよ。それで、この誘拐・・・いや、執事見習い見習いの車ででようかと思ってさ。でも、こいつらは、小夜の手下だろ?だから、小夜も行くのさ。」


理解できたか風の表情の真木ヒナタ。


私は、心の中ですいません理解したくありませんと思っていたが、真木ヒナタに言えるわけもなく、助けを求めて執事を見ると、


「真木ヒナタさん、小夜さんは、組員ではなく、執事見習いです。こういう荒事に巻き込んでもらっては困ります。」


執事がかわりに真木ヒナタに言ってくれた。



「え、急がないと組長、死んじゃうかもよ?」


少し嬉しそうに執事を見る真木ヒナタ。


< 121 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop