ヤクザと執事と私 1
報告した組員は、執事に言われてすぐに部屋を出て行く。
「しょうがねぇ~組長だな。よし、お前ら行くぞ!」
と、真木ヒナタは、なぜか私と誘拐犯3人組に声をかけ部屋を出て行こうとする。
「わ、俺ですか?」
何かの間違いかと思い、念のため、真木ヒナタに確かめてみる。
「あ?当たり前だよ。今、俺の部下は全員、出払ってるから車がないんだよ。それで、この誘拐・・・いや、執事見習い見習いの車ででようかと思ってさ。でも、こいつらは、小夜の手下だろ?だから、小夜も行くのさ。」
理解できたか風の表情の真木ヒナタ。
私は、心の中ですいません理解したくありませんと思っていたが、真木ヒナタに言えるわけもなく、助けを求めて執事を見ると、
「真木ヒナタさん、小夜さんは、組員ではなく、執事見習いです。こういう荒事に巻き込んでもらっては困ります。」
執事がかわりに真木ヒナタに言ってくれた。
「え、急がないと組長、死んじゃうかもよ?」
少し嬉しそうに執事を見る真木ヒナタ。