ヤクザと執事と私 1
「う、・・・それは。」
初めて困ったそうな顔を見せる執事。
「別に、俺はいいんだけどさ。あのヤンチャが死のうが生きようが。」
さらに執事を追い詰める真木ヒナタ。
この時の真木ヒナタの嬉しそうな顔ときたら、鬼の首を取ったかのような様子だ。
「しょうがありません。私も行きましょう。」
執事が真木ヒナタに言った。
「えっ・・・執事、来るの?いや、その、そこまでしなくても・・・」
さっきまでとは、逆にもの凄く嫌そうな顔を作る真木ヒナタ。
「はい。それでは、いきましょうか。執事見習い見習いさん達は1人運転手をお願い致します。サブさんは留守番を。」
「はい。留守番任せておいてください。」
サブがやっと自分の名前が呼ばれて嬉しそうに返事をする。
「それでは、アッシが運転を。」
誘拐犯の中でアニキと呼ばれていた男が手を上げた。