ヤクザと執事と私 1



「う、・・・それは。」


初めて困ったそうな顔を見せる執事。


「別に、俺はいいんだけどさ。あのヤンチャが死のうが生きようが。」


さらに執事を追い詰める真木ヒナタ。


この時の真木ヒナタの嬉しそうな顔ときたら、鬼の首を取ったかのような様子だ。


「しょうがありません。私も行きましょう。」


執事が真木ヒナタに言った。


「えっ・・・執事、来るの?いや、その、そこまでしなくても・・・」


さっきまでとは、逆にもの凄く嫌そうな顔を作る真木ヒナタ。


「はい。それでは、いきましょうか。執事見習い見習いさん達は1人運転手をお願い致します。サブさんは留守番を。」


「はい。留守番任せておいてください。」


サブがやっと自分の名前が呼ばれて嬉しそうに返事をする。


「それでは、アッシが運転を。」


誘拐犯の中でアニキと呼ばれていた男が手を上げた。
< 122 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop