ヤクザと執事と私 1
「お名前は?何とお呼びすればよろしいですか?」
執事がアニキと呼ばれていた誘拐犯に聞いた。
「はい。山・・・」
「ポチだよ。」
誘拐犯のアニキが答えようとしたところで、後ろから真木ヒナタが割り込む。
「ポチさん・・・ですか?まるで、犬・・・のようなお名前ですね。」
執事が少し不思議そうにしている。
アニキと呼ばれていた誘拐犯は、真木ヒナタに言われて断れるはずもなく、ただ口をかみしめている。
「それでは、後ろのお二人は?」
続けて、執事が聞いた。
「右がサルで、左がキジ」
再び、真木ヒナタが答えた。