ヤクザと執事と私 1
「何もされてませんよ。サブさんは、お腹が痛いふりをしただけで、真木ヒナタさんは、アイスを食べていただけです。」
ポチの言葉で車内の温度が10度下がったように感じた。
「真木ヒナタさん・・・あなた、何しに誘拐についていったのですか?」
執事が明らかにきつくなった口調で真木ヒナタに問いただす。
「・・・・だって・・・暇だったから・・・」
ある意味、ここまで素直に答える真木ヒナタは凄いと私は、別の意味で感動した。
「・・・どうやら、真木ヒナタさんとサブさんには、私、自らの指導が必要なようですね。」
ここまで話が進むとさすがに、ポチも言ってはいけないことを言ったことに気づいた様子だ。