ヤクザと執事と私 1
「えっ?」
ポチの動きが止まる。
真木ヒナタは笑ってはいたが、どう見てもその笑いは、冗談の笑いではなく、本気の笑いだった。
「それじゃ、行きましょうか?連絡がありましたら、私の携帯を鳴らしてください。」
執事が店の男に声をかけておいて、真木ヒナタと一緒に店を出て行く。
私もその後ろをついていく。
ポチは・・・・本当に重そうな足取りで私の後ろを歩きながら、必死で記憶を頼りに店を探しているようだった。
私には、ポチに心の中で頑張ってということしかできなかった。