ヤクザと執事と私 1
ポチの後をついて5分くらい歩いたところで、ポチがビルに入った。
そのビルの2階にある店の前で止まる。
『Club 華』
店の前の看板にかいてある。
真木ヒナタはそれを見て一言、
「よし。とりあえず、ポチは死にたいらしいな。」
笑顔でポチに近づく。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ。とりあえず、何か食べてから判断してくださいよ。」
ポチは命がかかっているだけあって、必死に真木ヒナタを説得する。
「そうですね。こんな所で殺人されても、あとの始末が面倒ですし、小夜さんもお腹が空いているようですし、とりあえず入りましょうか。」
執事は私に一瞬微笑んで、真木ヒナタに言った。
・・・・私のお腹の心配までしてくれるなんて・・・感激!・・・・なんて思わないよ。
私は、執事の前で鳴った自分のお腹を恨んだ。
恥ずかしさで顔が真っ赤・・・・
「そうだな。小夜も腹減ってるみたいだしな。」
真木ヒナタも繰り返す。