ヤクザと執事と私 1
ドアを入った私を待っていたのは、さっきのBarとはまた別の異空間だった。
とにかく華やか。
空間も、ドレスを着ている女性も、すべてが華やか。
「すごーい・・・」
私の口から素直な言葉が溢れる。
4人が席に着くと、すぐに女性が4人来た。
「座って、座って。」
ポチが、今まで私が見たポチとは違う感じになっていた。
男って・・・
「すいませんが、とりあえず、お座りにならなくて結構ですので、何か食べるものを運んで来てもらえますか?」
執事がポチを目で制しておいて、冷たく女性を見つめて言った。
ポチは最初のテンションがアッという間に消え、
「・・・早く何かもってこいよ。」
といい始めた。
どうやら、自分の命がかかっていることを思い出したようだ。
テーブルの近くにいた黒服が「失礼致しました。」と執事に急いで頭を下げて、調理場に走って入っていった。
「ここって、うちの組のシマだっけ?」
真木ヒナタが、執事に聞いた。
「はい。そうです。」
執事が答えた。