ヤクザと執事と私 1
「運ばれてきたものはしょうがないでしょう・・・食べましょうか。」
執事の一言に、真木ヒナタが「そうだな。」と相槌をうち、食べ始めた。
「おいし~。」
思わず感嘆の声が漏れる。
こんな料理、今まで食べたことないよ。
私は嬉しくなってしまう。
「悔しいけど・・・うまいな・・・」
残念そうに真木ヒナタが呟く。
この一言を聞いたポチが安心したように大きく息を吐いた。
「Clubでこんなおいしい料理が食べられるとは、驚きですね。」
執事も素直に賞賛の声を上げる。
「そうなんですよ。ここの料理人、元は、有名ホテルのフランス料理店で働いていたらしいんですけど、料理長と大喧嘩して追い出されたとかで、今はここでその料理の腕をふるっているらしいです。」
ポチが教えてくれた。