ヤクザと執事と私 1
「・・・お前、ちょっと前まで他の組にいたくせにやけに詳しいな?」
真木ヒナタが、少しあきれてポチを見た。
「いや、その・・・他の組にいたっていっても、下っ端ですし。ここの女性は本当に美人揃いですので・・・よく、来てたんですよ・・・」
ポチは、頭をかいて、恥ずかしそうにしている。
私たち4人は、その後、しゃべることも忘れて、舌鼓をうっていた。
「いや~・・・うまかった。」
真木ヒナタが満足の言葉を発する。
私も、真木ヒナタと同じ気持ちだった。
黒服が開いたお皿を下げ終わった頃、そのClubの店長が、私たちの席に挨拶にやってきた。
「本日は、当店にご来店いただきまして、誠にありがとうございます。笹山組の幹部の皆様に来ていただけるとは、当店にとってこれほど光栄なことはございません。」
「おう!気にすんなよ。すげ~、うまかったぜ。」
真木ヒナタが代表して答える。