ヤクザと執事と私 1
「そうですよね。ありますよ。」
私とポチも真木ヒナタの言葉に同意の言葉を発した。
「・・・小夜さん、あなた、まだ未成年なのに・・・まさかお酒を飲んだことあるのですか?」
執事が、私の方に振り向く。
「ありません、ありません。まったく、ありません。相槌をうっただけです。」
私は、必死に執事に説明した。
「・・・そうですか。それならいいですが、小夜さんも私の教育が必要なのかと思いましたよ。」
「教育じゃなく調教だろ。」
組長が良く通る声でボソッと呟く。
「馬鹿、そんなこと言ったら・・・」
真木ヒナタの声も遅く、その小声がきっかけで、場は執事と組長の大乱闘が始まった。
割れるコップ。
壊れる高級家具。
床は高級酒の海。
最初は私や真木ヒナタが止めに入ろうとしていたが、最後はただ見守っていた。