ヤクザと執事と私 1
「何で私がこんな奴らに頭を下げないといけないのよ。」
美華は意地でも頭を下げないつもりのようだ。
「もう、いいよ。店長。俺達の方が、どう見ても悪いんだしな。」
組長が、必死で美華に頭を下げるようにしている店長に声をかけた。
「そうですか?組長がそういってくださるのなら・・・」
店長はそう言うと美華の頭から手を離した。
「ちょっと、店長・・・組長ってまさか・・・」
今度は、組長と店長の会話を聞いた美華が店長に詰め寄る。
「そうだよ・・・こちらは笹山組の組長だよ。」
店長は今頃そんなことを言い出す美華にあきれたように言った。
「え、え?そんな、それを早く言ってくれたら。・・・・すいませんでした。」
美華は今までの行動が嘘のように簡単に頭を下げた。