ヤクザと執事と私 1
「それで、どうしたんだい。」
ハルさんが私の前に座る。
私は、自分の身の上に起きたことを全部ハルさんに話した。
ハルさんは私が話している間、一言も口を挟まず、話しを聞いてくれた。
私は、一気に話して、のどが渇いたので、割れたコップのお茶を一口飲む。
「おいしい!」
私は思わず驚きの声を上げた。
ハルさんは、少し得意気な顔をしている。
「そうだろ。このお茶は、特別なお茶だからね。」
ハルさんによると、ある金持ちの家の庭の掃除を手伝った時に、特別もらったかなり高価なお茶だそうだ。
「名前は小夜だったよね。」
私はうなずく。