ヤクザと執事と私 1

「・・・・あなたは、私の部下ではありませんので、御自分の身は、御自分で守ってください。それが出来ないようでしたら、このトラブルの張本人である真木ヒナタさんに守っていただいたらどうですか?」


ちょっと引きつった表情をしながら、執事がポチを見る。


ポチは、執事が名前を出した真木ヒナタを見つめる。


「え?い、嫌だよ、俺は。こんなおっさん守るなんて。俺も、小夜、守るよ。」


ポチに見つめられた真木ヒナタが焦りながら、私の名前を出した。


誰にも守ってやるといわれなかった、ポチが私の側に来て、


「小夜兄さんは私を守ってくれますよね?」


と号泣しながら泣きついてきた。


「・・・いや、その・・・」


私が困って言いどもっていると、


「とりあえず守るのは組長の俺と思うのですが・・・」


組長の悲しそうな声が、響いてきた。
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