ヤクザと執事と私 1
「そんな話より・・・」
美華が執事の腕に胸をくっつけて執事に話しかけた。
「シツジさんは、彼女いるの?それとも、もしかして結婚してるとか?」
執事はそんな美華の行動にも顔色変えずに冷静に答える。
「残念ですが、執事たるもの借金と結婚は認められておりませんので。」
私は、その言葉を聞いて愕然とした。
執事って、借金と結婚は認められないんだ・・・
そんなこと聞いてないよ・・・
私は心の中で何度も先ほどの執事の言葉を繰り返しながら、まるで心にオモリを段々のせられていく様な重みを感じていた。
それじゃ、私と執事は結婚できないよ~・・・・
そこまで考えて、私は思い出した。
というか・・・私、今、男だし・・・
さらに心が重くなる。