ヤクザと執事と私 1
「それじゃ、彼女も結婚もしてないんだね。」
美華は少し嬉しそうな表情をしている。
「この店に通って早2年・・・美華さんにあんな顔されたことも・・・彼氏がいるか聞かれたこともありません・・・」
私の横で、ポチが哀しそうにつぶやいた。
「しょうがねぇーんじゃね?しょせん、男は顔だよ。」
ポチのつぶやきを聞いた真木ヒナタがとどめの一言をポチに突き刺す。
「そう・・・ですよね・・・」
さらに落ち込むポチ。
「で、でもね、たまには、心で男を選ぶ女の人もいると思うよ・・・・多分。」
私は、ポチの落ち込みようが酷いので可哀相になり声をかける・・・ただ、私も執事の顔にやられているから、大きなことは言えなかった。
「たまには・・・多分・・・ですか・・・」
ますます落ち込むポチ。
「ひでぇ~こというな、小夜。100人に1人ぐらいは、男を性格で選ぶ奴もいると思うぞ。」
真木ヒナタが、私を責めた。