ヤクザと執事と私 1
「・・・ヒナタ・・・龍一、殺してくれない?」
組長は、ぎこちない笑顔を作り、真木ヒナタに微笑む。
「無理!俺、まだ死にたくないから。」
真木ヒナタが組長の言葉を一刀両断に叩き割る。
「誰が、誰を殺すのですか・・・組長?」
執事が目だけが笑ってない笑顔で組長に近寄ってくる。
バックミュージックは、まさにジョーズがピッタリ。
「じょ、冗談だよ、冗談・・・はぁ~・・・」
組長は、大げさに手を横に光速で振って否定し、大きなため息をついた。
「大和・・・無様なくらい必死だな・・・」
真木ヒナタが、かわいそうな小動物を見る目で組長を見つめて呟いた。