ヤクザと執事と私 1
「大丈夫だって、小夜。それよりも、そろそろ始まるから、準備しておけよ。」
「準備って何ですか?」
私が、真木ヒナタに聞いた瞬間、囲みの中心部分で、暴走族の人が中に浮くのが見えた。
(あっ・・・あれ、どこかで見たことが・・・)
私は、ポチを見た。
ポチは、どこか懐かしそうにその光景を眺めている。
「いや~、本当に執事さんの一撃は、効きますからね。」
「あれ、ポチ、龍一に殴られたの?」
真木ヒナタがポチを振り返る。
「御説明致しましょうか?」
ポチは、注目されて嬉しそう。
「いや、別に聞きたくねぇ~よ。」
「それは、残念です・・・」
ポチは、肩を落とす。