ヤクザと執事と私 1
翌日、ハルさんに起こされた。
朝方まで、寝たり起きたりを繰り返していた私は、まだ起きるのがつらかったが、気力を振り絞って起きる。
「小夜、起きたかい?」
「うん、おはよう。ハルさん。」
私は目を擦りながら、ハルさんに朝の挨拶をする。
ハルさんは私の側にやってきて、私の顔を覗き込んだ。
「やっぱり、目が腫れてるね。」
昨日、泣きすぎたせいだ。
「出て近くに公園のトイレががあるから、そこで顔を洗っておいで。」
私は、公園のトイレに行って水道で顔を洗う。
冷たい水が目に染みる。
「ひどい顔・・・」
鏡にうつった私の目の周りは確かに少し腫れていた。
「小夜、顔洗ったかい?」
ハルさんがトイレに私を呼びに来た。
「うん。洗ったよ。」
私は、ハルさんが貸してくれたタオルで顔を拭きながら、返事をする。
「それじゃ、ついておいで。」
私はハルさんの後をついて、さらに公園の奥へと入っていく。