ヤクザと執事と私 1


翌日、ハルさんに起こされた。


朝方まで、寝たり起きたりを繰り返していた私は、まだ起きるのがつらかったが、気力を振り絞って起きる。


「小夜、起きたかい?」



「うん、おはよう。ハルさん。」


私は目を擦りながら、ハルさんに朝の挨拶をする。


ハルさんは私の側にやってきて、私の顔を覗き込んだ。


「やっぱり、目が腫れてるね。」


昨日、泣きすぎたせいだ。


「出て近くに公園のトイレががあるから、そこで顔を洗っておいで。」


私は、公園のトイレに行って水道で顔を洗う。


冷たい水が目に染みる。


「ひどい顔・・・」


鏡にうつった私の目の周りは確かに少し腫れていた。


「小夜、顔洗ったかい?」


ハルさんがトイレに私を呼びに来た。



「うん。洗ったよ。」


私は、ハルさんが貸してくれたタオルで顔を拭きながら、返事をする。




「それじゃ、ついておいで。」


私はハルさんの後をついて、さらに公園の奥へと入っていく。
< 18 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop