ヤクザと執事と私 1
第5節:それは無理じゃない?
「・・・とりあえず、足手まといが消えた所で行くか、小夜?」
「・・・どこへですか?」
私は、真木ヒナタの言っている意味が分からなかった。
「当然、龍一と大和のところ。」
「・・・お二人ともに、あの囲いの中心ですよ・・・」
「知ってるよ。」
真木ヒナタは、私に笑顔で答えると、そのまま、歩きはじめた。
しょうがなく、私も真木ヒナタの後について歩く。
真木ヒナタは、言ったとおりに囲いに向って突き進んでいく。
真木ヒナタの後ろで不安になる私。
そして、真木ヒナタは、宣言どおり、執事と組長のいる中心部分に到達した。
その過程は、まさに圧巻。
真木ヒナタが、囲いを作っている暴走族の首筋を見た目、軽く叩いただけで、特攻服を着た暴走族が次々と倒れていく。
暴走族の男達は、みんな、囲いの中心を見ているわけで。
真木ヒナタ、首筋、叩き放題。
私は、何もすることなく、中心部分に到達した。