ヤクザと執事と私 1
「・・・それってボッタクリBarのことか?」
「はい。」
「・・・それだったら、俺だよ。こいつらは関係ない。」
「そうですか。それであなたのお名前は?」
「阿修羅蝶、3代目総長、真壁純」
暴走族の男は、高らかに執事に向って名乗る。
その真壁純の周りでは、すでに三分の一にまで減った暴走族達が総長の名乗りを聞き、歓声を上げる。
そんな時、暴走族の総長、真壁純と執事の間に1人の男がたった。
真木ヒナタだった。
「お前が、この暴走族の総長か。」
「ああ。お前は?」
「俺のことは、どうでもいい。こちらにおわす方をどなたと心得る。何を隠そう、かの笹山組組長の家の執事見習いにして3人の部下までいる三河小夜にあらせられるぞ。頭が高い!」
何故か、私を指差し、高らかに叫ぶ真木ヒナタ。
指差された私は、いったい真木ヒナタが何をしたいのか理解できない。