ヤクザと執事と私 1
「ああ、もちろん。最強さ!」
ひとさし指を伸ばし、腕を高らかに空に伸ばして、自信満々に真木ヒナタが宣言する。
「・・・あの、ちっちゃいのが・・・最強?」
「何回も言わすなよ。お前みたいなただ体がでかい奴とは違って、小夜は、あのちっちゃい体で最強なんだよ、バーカ。」
めんどくさくなってきたのか、真木ヒナタの語尾が荒れてくる。
(・・・真木さん・・・もうやめて・・・ただ、背の高さは、真木さんにだけは言われたくない。)
私とほとんど変わらない背の高さの真木ヒナタを見つめながら心の中で思う。
「・・・それじゃ、俺が、その三河って奴、タイマンで倒せば、今回のことチャラにしてくれるのか?」
意外な真壁純の申し出。