ヤクザと執事と私 1
「・・・ああ、そうだな・・・俺は、真壁純だ。」
真壁純も立ち上がり、私の右手をつかんだ瞬間、いつものように合気道の技で投げた。
綺麗にお尻を地面につく真壁純。
あれだけざわめいていた河川敷に静寂が広がる。
「・・・小夜の勝ち。」
あっけにとられながらも、真木ヒナタが宣言した。
「・・・ちょ、ちょっと待てよ!今のは、無しだろ。」
起き上がり真木ヒナタに詰め寄る真壁純。
「・・・お前、馬鹿か?男が、勝負の場に上がっておいて、今のは無しって通るわけないだろうが!」
真壁純を一喝する真木ヒナタ。