ヤクザと執事と私 1
「・・・確かに・・・そうだ。」
真木ヒナタに一喝され、崩れ落ちる真壁純。
「それでは、こちらの勝ちということでいいのですね?」
執事が真壁純に確認する。
真壁純は、「・・・はい。」と悔しそうにうなずいた。
「それでは、ここではあれですので、明日にでも笹山組組長の家に来てください。そこで話し合いましょう。」
「・・・わかりました。」
真壁純が執事の言葉に観念したように返事をする。
「ほら~、小夜兄さん、アッシのいった通りでしょ。」
ポチが嬉しそうに私に抱きついてくる。
私は、抱きついてくるポチを思いっきり合気道の技で投げ飛ばしてさける。
考えて出たというよりも、無意識に出た技だった。
(だって、中年おやじが顔から血や鼻水や涙を流しながら抱きついて来るんだよ・・・無理でしょ・・・)