ヤクザと執事と私 1
「・・・ポチ、お前か。小夜にこんな姑息な手を教えた奴は・・・」
いつの間にか、倒れたポチの側には真木ヒナタが立っていた。
「・・・え、え?だって真木さんだって、小夜兄さんの勝ちだって。」
「馬鹿野郎!あれは、しょうがなく言っただけだよ。まったく、小夜に汚い手を使わせやがって。・・・とりあえず、ポチ。お前、ここから歩いて組まで帰って来いよ。」
真木ヒナタは、ポチに冷たく言い放ち、そのまま車に戻っていった。
「・・・そんな・・・」
ポチは、悲しそうにその場に倒れこむ。
「小夜さん、無事でよかったですね。」
執事が私のところに近づいてきた。