ヤクザと執事と私 1
「はい・・・でも、あんなやり方はだめでしたか?」
真木ヒナタとポチのやり取りがあり、不安になり執事に聞いた。
「いいのですよ。私にとって小夜さんの無事が一番です。それでは、帰りましょうか。」
執事はいつものように最高の笑顔を私に向けて、車へと歩き出す。
私も、幸せな気分で執事の後をついていく。
「お~い、お前ら、ちょっと待ってくれよ。」
車へと向う私達の後ろから、聞きなれた声が追いかけてきた。
「ずっと正座してて足が痺れたんだよ。誰か背負ってくれよ。」
真木ヒナタと執事は一瞬だけ振り返ったが、足の痺れている組長に冷たい視線を送るだけですぐに車へと歩き出す。
私はといえば、私の体で組長を背負えるはずもないので、執事の後をついて車へと向う。
「なんだよ~、冷たいな、お前ら!」
組長は真木ヒナタと執事に文句を言った後で、近くに倒れていたポチに言った。
「ところでポチって何なの?」
結局、まだ、誰もポチの説明を組長にしていなかった。