ヤクザと執事と私 1
第6章:2日目
第1節:悪戯
私は、荒れる海の上でひとり小船に乗っていた。
周りを見渡しても、見えるのは海だけ。
次から次へと、波が私の乗っている小船に襲い掛かってくる。
私は、海に振り落とされないように、必死に船にしがみつく。
しかし、その努力もむなしく、海の中に投げ出された・・・ところで、目が覚めた。
目を擦りながら、起き上がると、目の前にサブが立っていた。
「やっと起きたか。小夜、もう昼だぞ。さっさと準備して、来いよ。」
私は、どうやら、サブに体を揺らされて起こされていたらしい。
(どうりで、あんな夢見たんだね・・・)
私は、少しムカついた表情でサブを見る。
そしてサブを見た時、初めて気づいた。
サブが「もう昼だぞ」と言ったことに。