ヤクザと執事と私 1
第2節:真壁純の後始末
車が到着した先は、昨日行ったBarだった。
「ここ・・・ですか?」
私は、隣の執事を見る。
「いえ、本当の目的地は、ここではありませんが、まだ取引には時間がありますので、とりあえず、先にここの問題を片付けておくのですよ。」
執事は、そう言って、私に車の外に出るようにうながす。
私は、車から降りると、私の乗ってきた車の前の車からは、真木ヒナタと組長と、そして、私とタイマンした暴走族総長の真壁純が降りてきた。
真壁純は、昨日の夜とは違い、特攻服ではなく、普通の服を着ている。
その表情は、かなり暗い顔をしていた。
(当たり前だよね・・・私ももし、この状況におかれたら、怖くてしかたないよ・・・)
私は、真壁純に同情した。
「小夜さん、入りますよ。」
真壁純を見つめていた私に執事が声をかける。
「あっ、はい。」
私は、すぐに返事をして執事の後をついて荒れたBarの中に入っていった。