ヤクザと執事と私 1
私の位置からは、その言葉に反応して執事が手をグーに握り締めたのが見えた。
サブと私は、焦り、急いで2人の間に入る。
「く、組長、コーヒー牛乳飲むと女にもてませんよ。」
サブがその不穏な雰囲気の中、震えながら組長に声をかけた。
「そうですよ、組長。せっかくカッコイイのにコーヒー牛乳飲むとそのカッコよさが台無しですよ。」
サブの言葉に私が続く。
「・・・そうなの?」
組長が私とサブを交互に見る。
私とサブはこれ以上ないくらい上下に頭を何度も振った。
「・・・それじゃ、しょうがねぇーな。このままでいいよ。」
組長は渋々、ブラックのままのコーヒーに口をつけた。
その様子を見て、私とサブは胸をなでおろす。
「そんな事より、この後もありますので、さっさと話をすませてしまいましょう。」
先ほどの執事とは違い、落ち着いた様子の執事が声をかける。
「そうだな。」
持っていたコーヒーカップをテーブルに置いて、組長が話はじめた。
内容は、この破壊されたBarをどうするかって事。