ヤクザと執事と私 1
「お前、真壁だったっけ?」
組長が私に話かける時より、ドスの効いた声で真壁純に話かける。
「・・・はい。」
相変わらず、怯えた表情の真壁純。
「お前、500万用意できるか?」
「・・・無理です。」
「・・・だよな。で、どうする?」
ここで初めて組長は、周りにいる全員を見渡す。
「どうするって・・・どういうことですか、組長?」
みんなが思った疑問を執事が組長に聞いてくれた。
「え、この後、ここどうするかってこと。このまま、ボッタクリBarでいくのか、それとも違う商売にするのかって事。」
「・・・真壁純はどうするのですか?」
「えっ、それはもう終わっただろ?」
「終わった?」
「ああ、持ってないものを出せっていっても時間の無駄だろ。だから終了。」
一同があきれた表情で組長を見つめる。
「・・・だったら昨日の意味がないじゃん・・・」
真木ヒナタがあきれた声を出す。
「俺、別に犯人捕まえろなんて言ってないぞ!むしろほっとけって行動で示してたんだけどな。」
「・・・」
さらに調子に乗った組長が続ける。
「第一、俺は、この店、気に入らなかったんだよ。今どき、ぼったくりBarって、時代遅れにもほどがあるよ。しかも勝手に俺の名前付けやがって。まるで俺がぼったくりしてるみたいじゃねーか。」