ヤクザと執事と私 1


「お、俺ですか?」


サブは、少しうれしそうに答える。


組長や真木ヒナタの話に交ぜてもらえるのがうれしい様子。


そんなサブを見ながら、私も考えたが、私の人生経験では、こんな場所で何をするのがいいのか思い浮かぶわけはなかった。



「あっ、こんなのどうですか・・・・・」


と、サブが意見を出しかけた時にその轟音が聞こえてきた。


すぐ側で雷が落ちたような轟音と地震のような揺れ。


私は、その揺れに思わず床に倒れそうになる。


そして、倒れて、頭が床に叩きつけられる瞬間、私は思わず目をつぶった。


しかし、目をつぶって、いくら待っても、来るはずの床に叩きつけられた時の痛みは襲ってこなかった。


恐る恐る、目を開けると、目の前には、執事のギリシャ彫刻のような顔と真木ヒナタの幼い顔があった。


どうやら、執事と真木ヒナタが私が倒れるギリギリの瞬間に受け止めてくれたようだった。


「あ、ありがとうございます。」


私は、間近にある執事と真木ヒナタの顔にお礼をいう。
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