ヤクザと執事と私 1
5分ほど真木ヒナタの後ろについて歩いていくと、1軒の店の裏口のようなところで止まった。
真木ヒナタがその裏口のベルを鳴らす。
しばらくして、30歳ぐらいの女性が眠そうに目を擦りながら出てきた。
「な~に?こんなに朝早くに。」
「寝ぼけんなよ。もう、昼過ぎだぞ。」
真木ヒナタは出てきた女性に挨拶もほどほどに、押しのけて中に入る。
どうしていいかわからず、立ちすくんでいた私達にも、「入れよ。」と真木ヒナタは声をかける。
真木ヒナタに言われるがまま、私達は真木ヒナタの後につづく。
入った先は、多数のイスやテーブルがあり、どうやら飲食店のようだった。
「ねぇ~、ヒナタちゃん。どういうこと?」
いきなり訪れた私達に少々驚いた様子で女性が聞いてきた。