ヤクザと執事と私 1

「・・・わかるのか?」


サブが真壁純を見る。


「詳しいことはわからないけど、喧嘩はしょっちゅうやってるんで。」


「・・・おねがい。」


私は、とにかくポチの状態が気になったから、藁にもすがる気持ちで真壁純にお願いした。


真壁純は、すぐにイスから立ち上がると、ポチの側にいき、ポチの体にさわって様子を見る。


しばらくポチの様子を見た後で、真壁純は、「どこも骨折とかはしてないようだから、大丈夫だと思いますよ。息も正常だし。ただ・・・」


「ただ何?」


「ただ、頭打ってたら、わかりませんよ。頭はやばいんで、早くに病院連れて行った方がいいと思いますけど・・・」


私とサブは、真壁純の言葉に顔を見合わせる。


「どうします、サブさん・・・」


「・・・まいったなぁ~・・・真木さんがここで待てって言ったってことは、出歩いたら危ないって事だろうし・・・」


考え込む私達。


「・・・あの、よければ、俺の知り合いの病院があるんで、俺が連れて行きましょうか?」


困った顔の私達に真壁純が提案する。
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