ヤクザと執事と私 1
「あ、俺、真木さん、ハーフだって聞いたことある。」
思い出したように、サブが急に声を上げる。
「・・・確かにヒナタちゃんはロシア人とのハーフよ。」
どこか遠い目をしながら、ママが答える。
「そうなんですか・・・気づかなかった。」
「・・・あの子、ハーフって事、嫌ってるのよ。目の色もカラーコンタクトで隠してるくらいだし。」
「・・・なんでですか?」
私にとっては、ハーフは憧れがあるだけに、真木ヒナタの行動は理解できなかった。
「・・・そうね。あなた達はヒナタちゃんも気に入っているみたいだし、教えてもいいかもね。」
そういって、ママは、真木ヒナタの過去を語りはじめた。
それは、私の想像を超えた話だった。