ヤクザと執事と私 1
「うん。ありがとう。ヒナタお兄ちゃん。」
「レナもちゃんと食べておけよ。」
「・・・わかってるよ。」
レナが最近どんどん痩せていることに真木ヒナタは気づいていた。
レナは、よく小さな子や病人の面倒を見る優しい子だった。
それだけに、少ない食べ物も小さい子や病人にあげてしまう。
しかし、そこまでしても、体の弱い者は、次から次へと死んでしまう。
そんな状況でレナはだんだんと弱っているのだろう。
真木ヒナタは、レナまで倒れては意味がないので、どうにか食べるように真木ヒナタの食料をあげたりしているが、結局、それもレナは、小さい子や病人にあげてしまうから、意味がなかった。
真木ヒナタはその場を離れ、一人になれる場所にいく。
(どうにかしないと・・・)
真木ヒナタは、1人になり考え込む。
真木ヒナタのグループは幼い子が多い。
盗みも幼い子では、無理だった。
そのため、食料も真木ヒナタひとりの盗みに頼りきっているのが現状。