ヤクザと執事と私 1
いくら噂にのぼろうと、人は背の低い女の子には、警戒心を解いてしまう。
本当は男である真木ヒナタは、いつ身長が伸び始めてもおかしくなかった。
背が伸びてしまうと真木ヒナタの価値は下がってしまう。
それを防ぐための薬。
それがたとえ体に有害であろうと。
「・・・さあ?日本人の血が入ってるからじゃないか?」
真木ヒナタは、レナの質問に適当に帰しておいて、アパートを出る準備をする。
「いってくるよ。」
「うん。気をつけてね。」
レナの言葉に真木ヒナタは振り返らずに部屋を出て行った。