ヤクザと執事と私 1


私の哀しそうな表情を見かねて、ハルさんが私に提案してくれた。



「・・・しょうがないね・・・それじゃ、あたしが世話になってる金持ちの家に何か仕事がないか聞いてあげるから、2~3日待っておいで。」


私は、ハルさんを見つめ、「本当?」と念押しする。


「ああ、そのかわり、仕事があるかどうかわからないから、あんまり期待するんじゃないよ。」


ハルさんが言い終わらないうちに私はハルさんに抱きついた。


「ハルさん、ありがとう」


「まったく、手のかかる子だよ。小夜は。」


言葉とは裏腹にハルさんは、嬉しそうに頭をかいていた。

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