ヤクザと執事と私 1
飛び散るガラス
非現実的な破壊音
店の中を一気にカオスへと巻き込んだ。
真木ヒナタ、龍一、大和がすぐに車から飛び降りる。
車の下には、人が倒れているのが見える。
「安心しろ。ここにいる奴らは、全員、マフィアだ。」
心配そうな表情をした大和に真木ヒナタがすぐに声をかける。
マフィアだから殺してもいいという理由は無いが、大和はそれを聞き、少し安心したような表情を見せた。
龍一は、そんなものには目もくれずに、この非現実的な光景に呆然としている奴らを次から次へと叩きのめしている。
真木ヒナタは、そんな龍一の様子を横目で見て、真木ヒナタ自身は、一番奥にいる老人のもとに一直線に向う。
老人は、そんな様子に我関せずといった感じで食事を続けていた。
真木ヒナタは、老人の後頭部に拳銃を当てる。
「・・・昨日の結果の報告は、まだ受けてないが・・・聞くまでもないかな?」
老人は、後頭部に拳銃が当てられているにもかかわらず、いつもと同じようなしゃべり方だった。
「・・・ああ、昨日の報告は、失敗だよ。」
「・・・だろうな。」
「・・・ところで、新しい依頼を受けたんだけどな・・・」
「・・・はて・・・私は、依頼をだした覚えはないが・・・」
「・・・組織で子供攫っている奴らがいるだろ?」
「・・・組織と言っても大きいからな・・・わしにわかるのは、組織のほんの一部じゃよ。」
「・・・とぼけても無駄だよ。・・・幹部のあんたがわからないことなんでないだろ?」
「・・・最近、ぼけやすくてな・・・」
この会話の間も、老人は食事を続けていた。