ヤクザと執事と私 1
殺してしまってから、龍一と大和がこの老人を探していたのを思い出したからだった。
「おい、逃げようぜ。」
カウンターの奥の厨房から、大和が出てきた。
「大和、あなた、どこ行ってたんですか?」
「あん?いや、厨房に誰か隠れてちゃいけないからな。」
「・・・そうですか。」
とりあえず、納得する龍一。
「・・・行こう。」
真木ヒナタが言い、店を飛び出す。
大和と龍一も後ろをついて店を飛び出し、そのまま、店の周りに出来た雑踏の中に姿を消していった。